2023/03/19 06:01
【選挙に於ける無所属とは何か?②】政党の党員なのにあえて無所属を強調するのは何故なのか!?
届出が無所属であっても、一般党員や特別党員の区分の違いは問わず、党員であることが事実である限りは「〇〇党 党員」や「〇〇党 所属」と選挙公報、ポスター、証紙ビラ、選挙ハガキなどに記載するのは事実であることを公表しているに過ぎず、当然のことながら合法である。
しかしながら党員や所属という表記を使って実際の所属政党を記載しないケースが圧倒的に多いし、あえて無所属を強調するのは何故なのか?
それは地方議会に於いては所属政党の公認候補が他におり、党員や支持団体からの支援が受けられず、党の支持率的にも所属していることを公表して得られるであろう党支持層の票を取りにいこうとするメリットがなく、逆に無所属であると全面に出して支持政党関係なく、無所属かつ地域代表的な性格の候補者であるとポジショニングして広く集票することを目指した方が有利である場合が多々あるからである。
政党側としても公認候補と党員だけど無所属で立候補する候補者とに分かれた方が共倒れするリスクを低減させることができ、分けたことで1人でも多く当選させることができれば結果として所属議員を多くすることができるメリットがある。
特に地方議会だと公明党や共産党以外は届出上では無所属しかおらず、しかもその半数以上は自民党の党員なんてケースもザラである。
そもそも公明党のように創価学会と称する新興宗教団体を支持母体としていることから信者数が把握できており、しかも信者の投票率が高くて綺麗に票割りができる場合は別として、同じようなことができる政党は他にはないんじゃないかなと。
組織を背景にした連合系無所属候補だって、労組の組合員が自民党候補に投票したりするなど組織の意向を無視した投票行動をする場合が多く、不確定な要素が多いが、信仰活動と選挙が一体化している創価学会・公明党ほど確実に読み切ることができない。
だからこそ「〇〇党の党員である」と旗幟鮮明にするよりも、無所属であることを全面に出し、別に記載する必要もないのに「無所属」とあえて態とらしく書くことで、支持政党関係なく広く集票をすることができる可能性が高まり、戦略的な棲み分けが可能となる。
そんな候補者も告示前に貼り出している2連ポスターが地元代議士や地元県議との政党演説会を告知することを建前としたものを貼っている場合が多く、有権者からしたら「結局は何党なの?」と益々、分かりづらくしているという面も否定はできないが…。
私は公認候補や無所属・推薦候補のみならず、無所属候補でも「〇〇党 党員」や「〇〇党 所属」のように党籍のある政党を旗幟鮮明にして、選ぶ側である有権者にとって、分かり易くした方が良いと考えるが如何だろうか。
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【選挙に於ける無所属とは何か?①】選挙での「無所属」は本当の意味での無所属ではない場合がある!? - 飯田まさなり