2023/02/20 08:33
【政策提言】平塚市の空き家は1000戸超。平塚市の空き家と飯田まさなりの空き家政策。
●平塚市内の空き家は1000戸超
私は数年前に牧野知弘氏の著書『「空き家問題-1000万戸の衝撃」祥伝社、平成26年』という祥伝社新書の書籍を読み、氏は総務省の過去のデータから平成32年(2020年)に日本全国の空き家は1000万戸を超えるとの予測をしており衝撃を受けたことを記憶しています。
地域を回っていると思っていた以上に空き家が多いこと、朽ちていて台風等でもしかしたら建物の一部が風で飛ばされ、周辺にお住まいの方々に何らかの被害が生じる恐れのあるような空き家を目にすることもあります。
そこで平塚市内の空き家について少し調べてみました。
平成30年3月に策定された「平塚市空家対策計画」によると市内の空き家の 総数は1097戸(平成28年8月実施の自治会アンケート調査及び平成29年2月実施の平塚市の調査)あり、戸建て住宅全体の1.84%で、地区によっては全体の空き家率よりも約1%高い地区もあります。
適正に管理されており周辺への悪影響が少ない状態にある管理空家が3/4を占めているものの約1/4にあたる261戸に関しては、このまま放置すれば状態が悪くなるなど問題を抱えた管理不全空家となっています。
管理不全空家の内訳を見てみますと多少の破損が約半数、老朽破損が約40%、危険性ありが約5%で、現状に於いては劣化の程度が軽度であっても早急に対応する必要があるといえます。
私権が絡む問題であり行政代執行等の強制的な措置を執ることが簡単ではなかったり、更地にすることによって固定資産税の特例がなくなり固定資産税が大幅に増えることなど管理不全空家への対策には様々な課題があります。
空き家となる住宅は高齢者が居住していた住宅が多いことからも高齢化率や高齢独居率の高い地区では今後、更に空き家が増加していく傾向にあると考えられ、他自治体に於ける事例を参考にしたり、市役所、市会議員、関係各所、市民の皆様が知恵を出して空き家の利用・活用の方法や解体費用の助成、行政代執行のあり方など平塚市でも様々なことを考えていく必要があると考えています。
●他自治体の空き家利用活用事例と解体助成事例
①解体して駐車場予定の空き家を街のコミュニティースペースとして活用(埼玉県秩父市)
解体して駐車場とする予定であった空き家を埼玉県文化芸術拠点創設事業助成を活用して「秩父こみにてい」という芸術活動拠点として補修等を施して整備。
NPO法人を設立して運営されています。
②空き地にコンテナを設置し図書館や交流スペースとして活用(佐賀県佐賀市)
街中の空き地を借地し、図書館や交流スペースとして整備。
コンテナ設置後には周辺に相次いで店舗が開設され、それに伴って 人通りが増加し好循環をもたらしている。
利用者は平成24年度は24974人、平成25年度は68587人と多くの人が利用している。
③老朽家屋解体費用助成(東京都足立区)
東京都足立区には「足立区老朽家屋等の適正管理に関する条例」があります。
今後、倒壊や飛散するなど近隣に悪影響を及ぼす 可能性が高いことや不審者侵入による火災等が発生する可能性が高いなどの理由で撤去を勧告・命令することなどが定められて います。
勧告を受けた所有者が建物を撤去する場合は木造で50万円、非木造で100万円をそれぞれの上限として解体工事費の半 額を区が助成する制度です。
●飯田まさなりの空き家問題の政策
①市で管理空家を借り上げて子育て世代の若年層に廉価で貸し出す。
②地域のニーズに合わせて関係各所と連携してコミュニティー施設等に改修して活用。
③老朽家屋解体費用助成制度の創設。
④他自治体の事例を参考に管理不全空家に対する行政代執行のあり方を考えます。